放射能差別

 原子力発電所による事故の問題で、放射能汚染の問題が話題の注目になっている。日々、刻々と放射能汚染に対する報道がなされ、食物や飲料水への放射能汚染を気にかけている。
 放射能汚染が深刻になり始めた頃、福島原発付近の住民への懸念が問題になり始めた。つまり、「放射能に汚染されている」という差別だ。

 Newsweek(2011.4.13号)の「「フクシマ」差別が始まった」の記事。タイトルを見て、ついにこの差別問題が本格的に深刻というか、「表だって問題になってきたのだな」と感じた。
 問題はあったが、記事が出るということは、それだけ深刻化しているということだろう。問題になり始めた頃も、証明書を求める行動があると伝わり始めた。それは、原発の避難・屋内退避県内の住民に対して、診察の際など証明書を求めるところがあるということだった。
 その証明書は、人体に特段の影響はないとする検査結果を記した「証明書」だ。証明書は重要なものになっているという。事故のあった原発周辺の住民に対する差別が始まっているからだ。
・県外のホテルや旅館で宿泊拒否に遭った
・東京などでは、福島ナンバーの車が「放射能に汚染されている」として追い返された
・屋内退避区域外の診療所で、「放射能に汚染されていない」という証明がなければ診察できないと断られた
などといったケースが出てきているそうだ。

 東北地方太平洋沖地震発生以来、地震と津波の犠牲者数は増え続けている。死者と行方不明者は2万人以上、避難生活を余儀なくされた人は数十万に上る。復興に必要な金額は、世界銀行や日本政府は13兆円から25兆円に上ると予想されている。それだけ、大きな震災と原発問題の不安が襲いかかっている。
 もしも、高いレベルの値が出ても、高温高圧のシャワーで放射性物質を洗い流すという対策があるのだが、なかなか不安とのかねあいがうまくいかないものだ。