良い意味で「力量」を知る

 いろんなことに挑戦するということはいいことだと思います。失敗をすることは誰もが恐れ、その恐れで挑戦するのに二の足を踏むこともありますね。
 挑戦したり物事に取り組んだりしていると、うまくいかなかったりと、壁にぶち当たる時は必ずと言ってあると思います。
 そうした時、「限界」をつくったりすることもあります。でも、よく「限界」をつくることは悪いことだという指摘もあったりします。もちろん、限界を突破した先の大きなメリットといったことも理解できます。ただ、そういう視点だけでは危険ではないかとも思います。

 沢木耕太郎の「深夜特急」。著者自身の実話の小説(?)で、バックパッカー旅行の小説でも、代表的な存在です。私も夢中になって読みました。
 その小説は、全部で6巻ありまして、各巻の最後に筆者のインタビューが掲載されていました。
 沢木氏は、一度、社会で仕事をしてから、バックパッカーの旅に出ました。確か、25歳ぐらいだったと思います。その出た時期について、沢木氏はこんな感じのことを言っていました。

25歳ぐらいは、社会に一度出て、自分が仕事などでできることとできないことがある程度分かってくる時期。そうしたできることとできないことが分かった時期に、バックパッカーに出たことが良かった。

っと、こんな感じのことを述べていました。
 私の勝手な感じたことで、「限界」という視点とは全く同じとは言いませんが、その自分の力量成りの範囲を知ることで、バックパッカーの旅行をうまく楽しめることになったと。その範囲を知らなければ、危険を危険と思わずは、死ぬ可能性ももっと高く、とりかえしのつかないことになっていたかもしれません。
 そして、その範囲を知っているから、わかる大切なこともあるのではないかと思うのです。

 まぁ、結局は、限界はあるようでないものということに行きついてしまうのですが、良い意味で限界なり、範囲なりを知ること、知らないことが大切なことではないかと思ったりするんですよ(笑)。