ギリシャ問題から世界を見る

 高度成長時代で日本の経済は躍進しましたが、バブルがはじけ、その後、「失われた10年」という景気低迷を経験して、日本は疲弊している。
 ようやく、少しの希望が出てきたかというときに、アメリカ発の金融危機が起き、世界中を大混乱に見舞われた。当然、日本も大きな影響を受けた。
 中国は一足先に危機を脱け出し、次いで、ヨーロッパ、そして、アメリカが最近、良くなる傾向が出てきた。

 しかし、ここにきて、またもや不安定になる出来事が起こっている。その舞台はヨーロッパである。
 現在、ヨーロッパはギリシャの財政危機で大きく揺れている。ギリシャだけではなく、スペインやポルトガルも同様に危機的状況にある。
 そこで、まずはギリシャ問題を何とかするために、EU(欧州連合)はギリシャを助けようと動き出したわけだ。それは財政支援である。ただ、支援するだけではなく、支援するかわりに、ギリシャの財政のやり方をもっと改善するように要求したわけだ。
 そこで、ギリシャ政府は財政を切り詰め、税を高くしたりとする対策を行うことにした。しかし、当然、国民からは反対の声が大きくなり、暴動にまで発展。

 ただ、ギリシャに財政支援をするということだが、みながみな、賛成しているわけではない。
 EUでも大きな存在感のあるドイツでは、国内が揺れている。国民はギリシャへの支援には反対の声が強いわけだ。
 それに、ギリシャがEU加盟時に求められた条件に対し、嘘の数字をあげていたということも発覚しており、大きな懸念が出ていた。

 しかし、問題はそれだったら、ギリシャを支援しなく、破綻に向かってもいいのだろうか、ギリシャに自己責任として頑張ってもらえばいいのだろうか・・・というと、そうはいかない。
 ギリシャが破綻すれば、EUの通貨であるユーロの信用ががた落ちするということが起きてしまう。そうなれば、ヨーロッパ全体の財政が大きく混乱に陥ってしまうだろう。
 それに、フランスなどといった国は、ギリシャに多くを支援していたこともあり、破綻すれば、回収はできなくなるから、無視できない問題になっている。

 このギリシャ問題が解決しても、スペインやポルトガルが後に続くから実に頭が痛い。それは当然、破綻すれば、ドミノのようにスペインやポルトガルにも大混乱が起き、その混乱はヨーロッパ全体に拡がり、そして、世界への発展する可能性があるから、世界にとっても、注視する出来事になっている。

 世界を見る上では、全体を見ることが重要になってくる。ある地域だけ見ていては、それがどう影響するか、の本質はわからない。しかし、ある地域を無視しても、全体はわからないから、難しい。

 今後、ギリシャ問題をどう解決するのか、注目である。