うまくやらないとドミノ倒しのように軍拡になりそう

 南シナ海で、中国の存在感が強くなって、周辺国との関係が緊張状態になっています。
 シンガポールで開催されたアジア安全保障会議。主催する英国際戦略研究所アジア事務所のティム・ハクスリー専務理事が南シナ海の状況について、
・中国の軍拡が一つの要因となって、アジアで軍拡競争が起きている
・中国の冒険主義を防ぐため、各国が軍の近代化を進めた
・海軍力が強化され、軍の展開能力が向上した結果、南シナ海の緊張が高まっている
・民主国家といわれるフィリピンやタイでされ、軍が政治に影響力を持っているため、政治家は群が必要とする武器を購入して、喜ばせ続けなければならず、軍拡が起きている
・アメリカは、国益に繋がる自由航行権と近代化を進める中国軍の情報収集に関心がある
といったことを指摘。一方の中国については、
・中国は国内だけでなく、周辺地域の不安定化を恐れており、米国が東アジアの安全保障に(一定の割合で)関与することを望んでいる
と。
 それでは、この南シナ海の領有権問題解決を探っている東南アジア諸国連合(ASEAN)には、
・カンボジア・タイ国境紛争を解決できないように、加盟国同士が安全保障問題で協力できるほど、お互いを信頼していない
と指摘しています。

 ちょっと前にBlogでアメリカのハリケーン事情を書いたことがあります。人口が多くなったため、都市から郊外に人々が移り住み、ハリケーンの被害が結果的に拡大。もともと、ハリケーンが郊外で起きてはいましたが、それまでは人々が住んでいなかったため、被害は少なかった。そこに、人が増え、被害も出たため、ハリケーン問題が認識されていったということです。
 これと何が関係あるの?っと(笑)。この問題とは直接には関係ありませんが、どこか似ているなっと感じました。つまり、南シナ海での行為は周辺の国に大きく影響してくるもので、一つの国が軍拡を進めれば他の国にも影響することから、他の国も軍拡に走る。
 要するに、これまではバランスがとれていた(ようにみえていただけ?)だったところが、そこに一歩、足を踏み入れたことによりバランスが崩れ、具体的な問題となってあらわれるということです。
 この問題が難しいのは、関係している国が密接に協力できるほど、お互いを信頼していないということ。疑心暗鬼で協力すると、かえって実は軍拡しまくっていましたよってならないといいですが。