東北地方太平洋沖地震が与えたもの(上)

 雑誌「日経アーキテクチュア(2011.4-10号)」で東日本大震災の特集が組まれていた。おおまかにまとめてみると。

 3月11日14時26分、牡鹿半島の東南東130km、深さ24kmを震源とする「東北地方太平洋沖地震」が発生した。周辺は東北地方の日本列島をのせた北米プレートの下に、太平洋プレートが潜り込む。北米プレートがひずみに耐え切れずに跳ね上がる逆断層型のプレート境界地震となった。
 岩手県の三陸沖から茨城県に至る南北500km、東西200kmの広範囲な断層帯で、3つの地震が連動して発生したわけだ。最初の大きな断層の破壊は宮城県沖で起き、その数十秒後に1回目よりもさらに沖合で再び破壊。直後に、茨城県沖で3回目の破壊が続いた。
 揺れは発生から35秒後に牡鹿半島に到達し、70秒後に東北全域に、90秒後には関東全域に広がった。東京では震度5弱の揺れが襲い、新宿にある都庁第1本庁舎(地上48階、高さ243m)、第2本庁舎(地上34階、高さ163m)にあるエレベーター全75基が揺れを感知し緊急停止。工学院大学新宿キャンパスの高層棟(地上29階、高さ143m)では天井落下などの被害が出た。

 今回の地震は、強い揺れが長時間継続し、震度4以上の揺れが福島県いわき市で190秒間、宮城県仙台市で170秒間、東京都千代田区や茨城県水戸市で130秒間も揺れが続いた。ちなみに、一般的な建物は、揺れの継続時間を120秒程度と想定して構造設計しているという。
 日本には60m以上の超高層ビルは約2,500棟あり、長周期地震動の影響を受けやすい固有周期は2秒以上のビルは、このうち約1,100棟。建物の構造特性の違いなどから、「100棟以下、数十棟」で構造被害が生じる可能性があるという。超高層ビルの構造躯体の耐震性能は建設年代で異なる可能性が高いという。その超高層ビルは、長周期地震動による大きくゆっくりとした特徴的な揺れで、肉眼でも揺れが確認できるほどだった。
 今回の巨大地震は木造家屋や低層建築物から超高層ビルまであらゆる建物を揺さぶったという。ただし、長周期地震動は地震の規模の割には小さかったという。つまり、マグニチュード9.0だが、都心で心配される周期6秒から10秒の長周期地震動のレベルは、04年の新潟中越地震とほぼ同レベルで、1944年の東南海地震の3分の1から2分の1程度だというのだ。

(下につづく)

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