脳は情報があればあるほど・・・

 人間の脳は情報があればあるほど、的確な判断ができるのかと思っていた。しかし、そうとも限らないらしい。
 Newsweek(2011.3.16号)の「思考力の低下はツイッターのせい?」の記事が、情報過多への懸念が掲載されていた。

 簡単に言えば、こういうことだ。
 情報過多が人間を不安にする。簡単に言いすぎたか(笑)。
 脳の活動をfMRIで調べたという。そうすると、情報負荷が高まるに従い、背外側前頭前皮質(DLPFC=意思決定と感情の制御をつかさどる部分)の活動が活発になる。
 情報が増え続けると、まるでブレーカーが落ちるようにDLPFCの活動はストップするという。そして、賢い意思決定ができなくなり、つまらない間違いをしたり、選択を誤るようになるそうだ。つまり、情報が多過ぎると、人間の判断は合理性を失っていく。

 情報は今では大量に収集することができる。情報の伝達方法が多様化し、伝達の頻度も増えるにつれて、大量の情報を吸収しようとすると、脳の認識作用が麻痺する。

 人間は情報が増えると、客観的に見て、最善とはいえない選択や後悔する選択をする可能性が高まる。人間が下す決定の多くは無意識に行われること、情報が多過ぎるとそのシステムの働きが鈍くなる。問題が潜在意識にある時間が長いほど、創造的な解決策が生まれやすいという。

 情報が入ってくると、人間はそれを目先の意思決定で考慮に入れるか否かの取捨選択を迫られる。ところが情報が多過ぎると、選択を放棄してしまう。情報が増えるほど、脳は圧倒されて集中できなくなり、必要な核となる情報だけを引き出しにくくなる可能性がある。
 情報の洪水を乗り越えてどうにか決意を固めた人でも、その決断を何度も振り返ることが多い。情報が多いほど、排除した選択肢を後悔する傾向が高まり、自分が下した決断への満足度は低くなるそうだ。つまり、客観的により良い選択をしても、満足感は小さくなりがちになるということだ。

 そこで、いったいどうすれば?
 津根に情報が入ってくる状態では、追加の情報を使って創造的な飛躍や賢明な判断をすることができない。そこで、情報の流れをいったん止めて、小休止する必要がある。そうすれば、脳は無意識に新たな情報と既存の知識を統合して、新しい結び付きを生み出し、隠れたパターンを見つけることにつながるだろう。

 余計な情報を無視するのが他人よりうまい人もいるという。こうした人は「ほどほど型」で、チャンネルを変えていて気に入った番組があったら、チャンネルを変えるのをやめる。
 一方で、苦手な人は「とことん型」で、いつまでもチャンネルを変え続けて情報をむさぼるそうだ(笑)。そのため、なかなかな決断できず、先に進むこともできない。

 情報があり過ぎるのも問題というわけ。でも、なさすぎるのもどうかと(笑)。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする