不安要素が増える中東

 中東情勢は不安定な状況が続いています。イスラエルとパレスチナの問題、イスラエルと周辺地域の問題など、、、数々の問題が中東地域を覆っていて、なかなか解決へと進むのは困難。

 そこに、新たに不安にさせるのが、Newsweek(2011.2.2号)の「深海に眠る巨大な「火種」」の記事。
 イスラエル沖にエネルギー資源が見つかったということだ。

 エネルギー自給はイスラエルにとって大きなメリットがあるだろう。
 アラブの対イスラエル制裁が何十年間も続く中、イスラエルは輸入と闇取引でエネルギーを得てきた。60~70年代にはイランから原油を輸入していたが、イラン革命でパーレビ国王が追放され、それも不可能に。占領していたシナイ半島では、平和条約で82年にエジプトに返還するまでの約10年間、砂漠の油田を採掘。最近では、石油の大半を旧ソ連圏の国々から輸入していたわけだ。

 そんな中で、イスラエル沖、約130キロの海底ガス田。レビアタンガス田の推定埋蔵量は4,500億立方メートルであるという。過去10年間に発見された沖合いガス田では世界最大になる。
 このレビアタンガス田と、もっと小さい2つの沖合ガス田はいずれイスラエル政府に巨額の利権料と税収をもたらす可能性があるという。

 地質学者は少なくとも10年前から、イスラエルが独自のエネルギー供給源を見つけるには地中海沖を採掘するのが一番だと知っていたという。しかし、国際企業はイスラエルと協力することでアラブ諸国の反感を買うことを恐れていた。
 09年にはノーブル・エナジーの参加を得て、イスラエルはタマルで中規模のガス田を発見し、レビアタンの採掘を開始。タマルとレビアタンの埋蔵量を合わせると、イスラエルの何十年分ものエネルギー需要に対応できる上、残りを輸出に回せるという。専門家によれば、最大900億ドル相当の規模だというのだ。
 しかし、天然ガスは厄介な資源で、採掘しづらく輸送費も高くつくのが難点。しかも、過去1年間だけで大規模なシェールガスなどがアメリカをはじめ各地で発見され、市場は供給過剰に陥り、ガス価格は20%下落している。それに、ガス田と輸入国を海底パイプで直接結ぶという代替策にも問題がある。

 近年、世界の天然ガス埋蔵量は急増しており、イスラエルが自国の天然ガスを輸出することは難しくなるだろう。今回の発見を受けて、レバノンとの間に新たな領海争いも生まれている。
 レバノンはレビアタンの最大3分の1が自国の領海にまたがっていると主張している。対立は教会の決め方をめぐるもので、00年にイスラエル軍がレバノンから撤退した際、国連が設定した「ブルーライン」が両国間の事実上の境界線となった。しかし、イスラエルは一方的にその延長線上の海上にブイを浮かべ、領海の大まかな目安にした。しかし、レバノン当局は、イスラエルが決めた沿岸との角度では本来の領海よりイスラエル側が広くなると主張。ちなみに、この線を少し上下させると、数十億ドルの損得になり得る。
 そこで、レバノン当局は国連に地図を提出し、調停を期待している。

 イスラエルの法律専門家によれば、レビアタンは境界線から遠く、境界線を調整しても十分イスラエルの領海内だという。しかし地質学者は、地中海沿岸には広い天然ガス鉱脈があり、それはイスラエル沿岸のはるか北のレバノンの方まで広がっている、と考えている。
 こうしたことから、両国はいずれ線引きで合意しなければなたなく、それには交渉するしかない。

 おりしも、世界は「天然ガス時代」を迎えようとしている。エネルギーがより安く、よりクリーンで、より豊富になる。液化天然ガス施設の共有や共同パイプライン網など、イスラエルと近隣諸国が協力すれば地域全体にプラスとなる。

 記事はこうした内容だった。
 しかし、これも簡単にいかないのが、中東の複雑な問題が絡んでいる。一つが解決するには、他の多数の問題も絡んでおり、全部を解決するのにも、一つの問題が邪魔をしたりする。
 これまでの中東情勢の問題も深刻であったが、そこに新たに問題が付け加わったように感じてしまう。

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