世界史を通じて現代を考える入門編となる一冊、新書「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」(池上 彰・佐藤 優)

 世界史を通じて現代を考える入門編となる一冊。

新書「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」(池上 彰・佐藤 優)

「ベストセラー『新・戦争論』に続く最強コンビの第2弾! 各地でさまざまな紛争が勃発する現代は、まるで新たな世界大戦の前夜だ。激動の世界を読み解く鍵は「歴史」にこそある!
(本より)」

 池上彰氏というだけあってわかりやすく、佐藤優氏の分析が面白かった。

 世界史という世界の歴史を知ることで、現代の情勢や行方を考えることが重要だと。歴史には様々なヒントがあり、底から学ぶことで現代の環境や問題が浮かび上がり、解決のヒントにもなる、と。

 歴史を振り返ることは重要で、日本の歴史、世界の歴史を知ることで、世界の流れや日本の流れ、そして、世界と日本の関係を知ることにもなります。
 現在、起こっていることは、これまでの歴史の流れと大きく関係していることから、その歴史を知る大切さが書かれていました。と同時に、その歴史から考えた今の状況、今後の動向のヒントもありました。

 今の状況、今後の動向のヒントを知ることもでき、過去の歴史を知ることもでき、世界史を知る入門編ともいえるかもしれません。

 興味深かった内容としては、

・中東は文明発祥の地で、人類史が始まって以来、「世界史大転換の震源地」だった。
 ここに端を発した変動は、その後全世界に大きく影響を与える。宗教もユダヤ教、キリスト教、イスラム教という世界三大宗教の聖地があり、エネルギー面でも重要な地。中東が混乱すれば、世界に波及することになる。

・現状について、イラク情勢の変化、「アラブの春」以降の社会構造の変化、過激なイスラム主義の急速な台頭、「イスラム国」(IS)やアルカイダとは異なるテロ組織の急増、の4つのポイントがあげられ、中東では国家、もしくは政府という枠が機能しなくなっている。

・中東は、「サウジアラビア、湾岸諸国、ヨルダンなど、アラビア語を使うスンニ派のアラブ諸国」、「ペルシャ語を話すシーア派のイラン」、「アラビア語を話すシーア派のアラブ人」、「スンニ派だが、トルコ語を話し、民族意識も強いトルコ」の4つの勢力にわけられる。

・国家というのは、膨張したり収縮したりするという、「膨張する国」と「収縮する国」という「伸縮史観」の見方は有効。
 アラブは「収縮する国」。中国は「膨張する国」で、アメリカは「収縮する国」。日本は「収縮する国」。同じ国でも、時代により、膨張志向だったり、収縮志向だったりする。

・AIIBに参加表明した欧州諸国は、アジア各国のインフラ投資について詳しい情報が取りたいという思惑がある。つまり、実際に融資をしようとしたら、返済計画もつくるわけで、その過程で各国の経済状況、カントリーリスクも調べるので、そのデータも欲しい。そして、貸し手になる中国側の事情もつかめるかもしれないということもある。AIIBの内側に入っていないと取れない情報だから、入っておく価値がある。

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