成り上がっていくためのビジネスの暗闘の物語、『握る男』(原 宏一)

 この物語には、現実の社会の中でのビジネスや人生についてに考えさせられるものがありました。
『握る男』(原 宏一)

「昭和56年初夏。両国の鮨店「つかさ鮨」の敷居をまたいだ小柄な少年がいた。抜群の「握り」の才を持つ彼の名は、徳武光一郎。その愛嬌で人気者となった彼には、稀代の策略家という顔が。鮨店の乗っ取りを成功させ、黒い手段を駆使し、外食チェーンを次々手中に収める。兄弟子の金森は、その熱に惹かれ、彼に全てを賭けることを決意する。食品業界の盲点を突き成り上がった男が、全てを捨て最後に欲したものとは。異色の食小説誕生。
(小説のあらすじより)」

 物語は主人公・金森が若くして仕事についた鮨店に、さらに若い・徳武が入ってきて、成り上がっていく徳武を補佐をするという物語。といっても、その成り上がっていくまでの道のりが、結構考えさせられる物語になっていました。
 単純に成り上がっていく痛快物語とかではなく、その成り上がり方にいろいろと考えさせられる、といいますか、読んでいる側も悩む場面も。痛快物語ではなく、パンチはあるものの、自分のリアルな人生にもちょっとしたパンチをくれる物語となっていました。

 物語のところどころで、徳武の成り上がりのための秘訣が書かれており、これがまた考えさせられ、「なるほどな~」っともさせられつつ、「どうかな……」っていうことも。

 物語は、夢中になるほどむさぼるように読み入る、というわけではないんですが、気づいたら読み進めているっていう感じ。ちょっとしたドキュメンタリーに見入るような感じ。

 物語に夢中になるというか、どこかビジネスへのヒントの物語を楽しめる、という感じの小説だと思います。

7/10)

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