いい感じで奥深い物語構成が楽しめた、『亡者のゲーム』(ダニエル・シルヴァ)

 いい感じのスパイ小説を発見した感じで楽しめた作品でした。

『亡者のゲーム』(ダニエル・シルヴァ)

「イタリアのコモ湖で英国人実業家が惨殺された。被害者は美術品密売の噂がささやかれる元スパイ。死の直前、幻の名画を手に入れていたらしい。国家治安警察の将軍から極秘裏に捜査協力を頼まれたガブリエルは、ヨーロッパを股にかけた諜略のゲームの裏に、ある独裁者の不穏な陰を嗅ぎ取るが――世界一流の美術修復師にしてイスラエル最強のエージェント、〈ガブリエル・アロン・シリーズ〉!
(小説のあらすじより)」

 久しぶりにスパイ小説の深みを味わった感じでした。
 物語は芸術という側面とうまく融合してスパイ物語を仕上っていました。そのことからちょっとした芸術的な要素を感じさせてくれ、そこから深みを味わわせてくれました。
 正直、私は芸術をそこまで理解しているとはいえませんが、それでもこの小説を通じて芸術を少し楽しめたと思います。

 物語はスパイ小説。その物語展開は、様々な要素がうまい具合に取り込み、構成され、展開していて、読者を物語が訴える事柄に引き込ませてくれました。
 政治や時事、歴史問題などがうまい具合に物語の中で、取り上げられており、考えるきっかけにもなり、そこから物語の深みにも繋がっていました。

 その物語展開は、スピーディーなようでスロウでもあり、スリリングなようでそうではない……それらが絶妙な感じに展開され、物語に引き込ませます。さらに、そこに奥深さもあり、読み終わったらちょっとした充実感を得られる作品でした。
 物語の構成もいい感じで、終わり方もいい感じにGood。何もかも解決というのではなく、グダグダ感もなく、締めもいい感じでした。

 このシリーズ、翻訳されているのでも他に4作品あるというので、気になります。未翻訳を含め14作品とあるから、ここまでのシリーズになっているのを知らなかった。
 他の作品が気になりますが、今後のシリーズとしても期待したいところ。

7/10)

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