知性を鍛えて人生を高めるヒントに、『知性とは何か』(佐藤 優)

 「知性」とは何か。「知性」を考えた上で、今後の人生を考えさせられるヒントが盛り込まれていました。

「反知性主義」に打ち克つために
 いま、日本には「反知性主義」が蔓延している。反知性主義とは、「実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」だ。政治エリートに反知性主義がいると、日本の国益を損なう恐れがあると、筆者は主張する。
 実際、その動きは安倍政権下で顕著だ。麻生副総理の「ナチスの手口に学べ」発言や、沖縄の基地問題を巡る対応など、それは現れているといえるだろう。
 本書では、この反知性主義が日本に与える影響を検証し、反知性主義者に対抗するための「知性」とは何かを考える。あわせて、本当の知性を私たちが身につけるための方法も紹介する。

(本より)」

 「知性」について、その「知性」をどうやって考え、高めていくか、その上で、私の人生や社会について考えていく内容となっています。
 「知性」を考えることで、今後の人生や社会情勢を見る力を鍛えるというヒントに。今後の行方と人生についてのヒントになる内容となっています。

 興味深かった内容は、

・筆者による「反知性主義」とは、実証性と客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度。

・ギリシア語の時間概念として、「クロノス」と「カイロス」という2つの異なった時間が存在する。
 「クロノス」は日々流れていく時間をさす。「カイロス」とはある出来事が起きる前と後では、意味が異なってしまうようなクロノスを切断する時間。

・話し言葉が話者の時間、リズムに支配されるのに対し、書き言葉の時間とリズムは読み手に委ねられる。つまり、話し言葉は話し手の側に、書き言葉は読み手の側に主導権がある。

・「書く力」と「読む力」は正の相関関係がある。つまり、書き言葉が衰退するということは、読む力も衰退するということ。

・外国語の学習には、「語彙」と「文法」が必要。単語のない言語はなく、その単語を組み合わせて文を作る規則を持たない言語はないということ。

・依存に陥ることを抑制するためには、勤勉性を鍛えること。勤勉性の高い人は、自己コントロールが高く、依存性に陥りにくいという。小さな頃から勤勉性を養うことは、依存に対する抵抗力をつけることになる。

・知性を体得し、正しい事柄に対しては「然り」、間違えた事柄に対しては「否」という判断をきちんとすること。そのためには、
 ①自らが置かれた社会的状況を、できる限り客観的にとらえ、それを言語化すること
 ②他人の気持ちになって考える訓練をすること
 ③「話し言葉」的な思考ではなく、頭の中で自分の考えた事柄を吟味してから発信する「書き言葉」的思考を身につけること。

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