自分で考えることの勉強術のヒントが盛り込まれた、『超したたか勉強術』(佐藤 優)

 自分の頭で考える勉強術のヒントが盛り込まれていました。

一時の感情に流されない。他者の共存する道を探る。「一強多弱」の21世紀を生き抜く術がここにある!
日本を覆う「反知性主義」に対抗していくには自分の頭で「したたか」に考え続けるほかはない。感情論ではなく、どんな立場の人とも議論できる「最強のインテリジェンス思考法」を伝授!

 一つの重要な参考書として、イギリスの教科書を取り上げていました。
 各国の教科書を読むことで、各国の教育や求めている人材育成を見ることができ、その中でもイギリスの教科書の視点について書かれていて、参考になりました。

 その勉強術ですが、やはり、重要なものは自分の頭で考えること。その考えることのための理由を理解することも大切で、そういった点も盛り込まれていたと思います。

 興味深かった内容は、

様々な物事について自分なりの視座を持つこと、そのための技術を身につけること。

・組織の論理と折り合いをつけつつ、自分なりの仕事の羅針盤(視座)を持ち、そのことが組織にとって有益だと認識させること。

・基礎教養+テーマになっている事柄に関連する基礎教養を運用して、情報を組み直す思考力を備えて初めて新たなモノゴトが見えてくること。

・ある物事に対して自分なりの視座を持つために最低限必要な要素として、
1:基礎教養を身につける
2:情報収集
3:基礎教養と収集した情報の運用
4:内在的論理を探る
ことがあげられる。1と2については、普段からこつこつ積み上げていくこと。3と4は技術として身につけることができる。

・鍛えた「思考の鋳型」で、物事を自分なりに考え、解釈する訓練を重ねていると、やがて、他人には「見えないものが見える」ようになる。

・イギリスは、帝国主義国として350年以上の歴史を持ち、100年前までは世界最強の国だった。第一次世界大戦、第二次世界大戦、それぞれを「戦勝国」の側として生き残ってきた国で、覇権を失った現在も、国際社会では実力あるプレイヤーとして居場所を確保している。

・歴史には、ドイツ語で「ヒストリー(Historie)」と「ゲシヒテ(Geschichte)」の2つの概念があるということ。
 「ヒストリー」は簡単に言えば、年代の順を追って出来事を淡々と記述する編年体。「ゲシヒト」は歴史には必ず意味があり、啓蒙によって高みへと発展していくといった編集がなされた記述スタイル。

・アメリカは軍事的、経済的に強過ぎる国であること。どんなに(歴史観、事実が)間違っていようが、国力を背景に国際社会において「力で押し通せる」力を持っているともいえる。
 そこから「歴史は自分達がつくるものだ」という発想が生まれ、その姿勢を貫いても生き残っていけるという背景がある。

・教育として、自国の失敗の意味を、将来を担う世代に考えさせなければ、生き残ることができない。

・イギリスは、自分達の弱さを認識した上で、新しい時代への対応を模索している。

・イギリスは、移民の類型でいうと寛容型だといえる。移民が出身国・地域の文化や言語を保持することに寛容で、同化を強要しない。多元性を認める。ただ、出身が違えば、いつまでもイギリス社会の成員として認められないということでも。「移民の皆さん、習慣も言葉も変える必要はありません。どうぞご自由に。お互いに棲み分けていきましょう」

・丸暗記をすることの効果は、暗記できた時に、記憶の容量が大きく変わっていること。つまり、脳のメモリ増設

・丸暗記の作業に並行してキーワードをメモ。そのキーワードをもとに同じ内容を話すことができるか否かを確かめてみる。
 キーワードに基づいた記憶の再現は2つに分けることができる。要約summation)と敷衍。敷衍は、記憶した事柄をより詳しく説明する。あるいは、別の言葉で言い換えてみること。
 この時、記憶していた内容を他人に説明するつもりで行うといい。自分が理解できないことは説明することができないし、どの点が分かっていて、どの点が飲み込めていないのかを確認することができる。

・脳の記憶容量が大きくなり、様々な情報が記憶の引き出しにストックできるようになると、ある課題を解決する時に、類似した事柄を適宜引き出して比較検討できる。

・同時多発的な事象間に何らかの繋がりがあるか否かを見極める習慣を身につけておくこと。別々に起きていると物事が繋ぐ線が見えてくると、今世界でどのような変動が起きつつあるのか、それが今後どの方向に向かうのかを推測する“アタリ”をつけられるようになる。

・過去に起きたことのアナロジー(類似)によって現在の出来事を考える訓練を積むことで、自分の引き出しに入れる雛形を増やすことができる。
 今起きていることの全体状況をつかんでおくことは、「目に見えない」有象無象の背後を類推し、何と何がどのように関連しているのかを思考する第一歩となる。

・「交渉様式」を4タイプに分類。
A:互酬(贈与と返礼)
B:略奪と再分配(支配と保護)
C:商品交換(貨幣と商品)
D:X(A~Cを越える何か)
 交換様式Cから商業資本主義経済が発達してくる。

必要だと思った情報は、まず、アタマの中に叩き込むこと。まず先に頭に入れて覚える癖をつけること。
 情報を頭の中に叩き込んでおいても、それが「単独で、ある時は知識の断片に過ぎない。ところが思わぬ時に、全く関係のなさそうな情報と情報が結びつくことがある。

6/10)

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