主人公の竜崎の変人ぶりにやられた! 『隠蔽捜査』(今野敏)

 読んでみると、主人公が魅力的で、「どう展開していくのか」、目が離せなくなりました!

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。
(小説のあらすじより)」

 今野敏氏の小説は、書店でよく目にし、気になってはいましたが、なかなか手に取らずにきました。ようやく手に取って読んでみると、「なんで、もっとはやくに……」と思ったほど面白かったです(笑)。
 ある書店では、濱嘉之氏の「警視庁情報官」とこの「隠蔽捜査」を並べて紹介していたり。私は濱嘉之氏の小説は面白く読んでいましたが・・・・・・。
 っと本題に戻ります(笑)。

 主人公の魅力がすごいのは、主人公の変人ぶり(笑)。社会に出るとなかなか正論を通すことが厳しくなったりするのですが、主人公はその正論を振りかざしていきます。といっても、物語を読み進めていくと、主人公の思う正論にはきちんとした背景、理由があったりして、単なる正論だけではないのがわかります。物語の行方に対して、主人公のこの気質がどう展開するかが見物で、次の展開が気になってしまいました。
 というわけで、物凄く堅い性格の主人公が物語をその堅いルールで、社会に向かっていくというもので、そんな主人公に様々な問題が降りかかり、どうするのか、そして、その信念をどう貫いていくのか、さらにはそれがどう影響していくのか、ということがうまく物語にあらわれ、物語に・主人公を引き立てていました。

 読んでいると、その主人公の信念を応援したくなってしまうぐらいで、それが物語の展開を気にさせるものでもありました。

 物語には、法律的な説明もいくつかあって、ちょっと読むテンポを狂わせられたりもしましたが、物語の、主人公の魅力で、そうしたことも次の展開が気になるということで、勢いよく読み進められるものでした。

9/10)

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