展開は地味だが内容をわかると面白い? 『ロシア・ハウス(上・下)』(ジョン・ル・カレ)

 淡々と読ませて、どこかこれが現実だとさせられるような物語でした。

ペレストロイカによって改革の進むモスクワ。英国主催のフェアの会場に、ソ連の女性編集者カーチャが出版社社主バーリー・ブレアあての匿名原稿を持ちこんだ。なんとそこにはソ連の核ミサイルの欠陥が詳細に記述されていた。この驚くべき情報に接した英国情報部は、現行の真贋と著者の正体を解明すべく、バーリーにモスクワ行きを依頼する! 巨匠が民主化の進行するソ連に取材し、新境地を拓いたスパイ小説の新たな収穫
(小説『ロシア・ハウス(上)』のあらすじより)」

原稿の著者ゲーテは、かつてカーチャの愛人であった理想家肌の科学者だった。以前パーティで見込んだゲーテは、国防機密を出版して、一挙に世界的軍縮を実現することを望んでいるのだという。だが国際政治の現実はそれほど甘くなかった。カーチャへの恋心を秘めて再度ソ連を訪れたバーリーは、核の主導権争いに執着する英米情報機関の野望によって、カーチャの身に危険が迫っていることを知る!
(小説『ロシア・ハウス(下)』のいあらすじより)」

 やはり、淡々と読み込ませる物語。スリリングさは多少はあるんだけど、ドキュメンタリーを物語にしつつ、そこにちょっとした色恋を混ぜた感じ。それも夢中になって物語を追うわけではなく、くどいですが淡々と物語を進める感じ。
 スパイ活動というのは、派手なものではなく、実は地道なもので地味なものだということを、小説・物語にした感じ。それが作品にもあらわれていて、物語の進め方が、モノゴトの検証なりの審査・分析で展開されていくので、これがきつかったら物語自体を楽しむのも厳しくなるかも。
 そういった地味な部分の内容を理解していくと、面白いのではないかなって。

 ジョン・ル・カレの作風でしょうか、クライマックスで一気に展開がリズミカルになるような風な感じなのはGoodでした。

4/10)

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