淡々と物語が展開されるが読みいっています、『鑑の国の戦争』(ジョン・ル・カレ)

 ジョン・ル・カレ特有の淡々とした流れの中で、熱が入る感じがグッドでした。

東ドイツ、ソヴィエト製新型ミサイルを設置か? 英国軍情報部が入手した情報は恐るべき可能性を示唆していた。折しも冷戦のさなか、もし事実とすれば、イギリスがその最大の標的となり得る。昔日の勢力復活の好機を得た情報部は秘密基地の空中撮影を決行。だが、フィルムを受け取った潜行員は殺害され、計画は崩壊した。かくて、元部員のライザーがミサイル確認の命を受け、猛訓練の末、東ドイツ国内へと潜入する。行くてには死の危機と裏切りが待つとも知らずに……。冷戦の不気味さと非情なスパイの世界をリアルな筆致で描破する傑作!
(小説のあらすじより)」

 物語は読みやすいようでそうではなかったり(笑)。淡々と進められる展開というのが、私がジョン・ル・カレに対するイメージ。この小説もそんな感じでした。それでも、面白く読み入っている自分に気がつきます。

 スパイの現実と淡々と展開していくストーリーが、またこの世界の現実を伝えているようで読み込ませます。
 そして、物語は最初から最後まで、どこか淡々と進み、熱狂させられるわけではなく、それでも読み入らせる術はさすがでした。

 情報機関とスパイとの関係が描かれているのが面白く、物語が展開していくにつれ、どういう風になっていくのか。そして、情報機関の中の上司と部下の関係や経験など、スパイとの関係とのやり取りや経験などが、匠に盛り込まれていて、面白かったです。
 さらには、政府、情報機関内でのやり取りや勢力争いなどの中で、スパイとの関係が展開していくのが引き込ませられました。

6/10)

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