黒田の魅力が再び、勢いを取り戻して、黒田の新たな挑戦を楽しめる『警視庁情報官 サイバージハード』(濱 嘉之)

 前作で少し勢いがなくなったように感じ、残念に思っていました。それでも、気になる続編。やっぱり、読んで良かった!

欧米に続き、秋葉原駅前の銀行ATMもハッキング攻撃を受け、不正に多額の金が引き出された。捜査指揮官の黒田純一は世界規模のサイバーテロを視野に入れ、犯人像を宗教関係者と睨み、海外へ飛ぶ。奴らの狙いは金か、それとも――今日的な犯罪の手口と、その恐怖をリアルに伝える傑作警察ドラマ!<文庫書下ろし>
(小説のあらすじより)」

 冒頭にも書きましたが、前作でちょっと勢いがなくなったことにショック。それでも続編の今作が発売されたのはうれしくなって、やはり読みたくなるわけです(笑)。
 読み始めていくと、主人公・黒田純一の魅力が再び、勢いを取り戻した感じがして、引き込まれました。あの黒田の魅力が、このシリーズの醍醐味でもあると思っていますが、さすがに、前作で「展開のネタもちょっと尽きてきたのかな」っと残念がっていましたが、今作で黒田の魅力が新たな展開を見せてくれました。

 物語は、まさに今の問題を取り上げているような、「サイバー問題」を扱った物語。サイバーテロによる混乱を、捜査していくのですが、その展開が面白かった。
 インターネットの世界とリアルの世界をうまく描きだしていると思います。ネットの世界を捜査するというと、「パソコン用語が飛び交うのか」と思うかもしれませんが、そうではなく、リアルな人間関係などの展開でベースはリアルな世界での物語が進んでいきます。
 なので、ネットに詳しく、ネット技術などの詳しい展開を求めてると、落胆するかもしれません。そういう意味では、サイバー空間、ネット専門の小説で、そうした技術小説で詳しい物語だと思って読むと、あらってなるかもしれません。

 物語はやはり、黒田の魅力で引き込まれていきます。黒田の一つ一つの行動と行方が気になる展開で読まされます。夢中にさせられるのは、黒田の人脈。つまり、捜査していく中での黒田のやり取りする人間関係が面白い。これは、今作だけではなく、このシリーズの特徴といってもいいですね。
 そして、物語の要所要所に盛り込まれる、黒田の考え方がGood! 仕事や社会、生活などの考え方が盛り込まれており、まさに小説なんだけど、どこか自己啓発本を読んでいるような活発さがあります。

 そして、今作で勢いを取り戻した要素にもなったのかなっと思ったのことが、黒田の挑戦が見られました。これまではどこか、黒田の範疇にあるような展開。
 しかし、今作ではその範疇外が出てきて、そこに黒田が挑戦し、さらに向上していくという展開が良かった。

 今後の展開はどうなるのか、再び、強い期待感を持って読み終わりました。

8/10)

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