『知の武装 救国のインテリジェンス』(手嶋龍一・佐藤優)

 国際情勢は日々、変化しています。その変化がどういう方向に向かっているのか。そんなヒントがこの本には盛り込まれています。

ニュースを鵜呑みにしていては、深層はつかめない。激流の世界で勝つには「知性<インテリジェンス>」が必要だ――東京五輪と尖閣の関係、安倍首相の真の評判、シリアを左右したスノーデン事件の「倍返し」、中韓領土問題の奥の手、北朝鮮写真に隠されたメッセージ……日本最強の外交的知性がその情報力と分析力を惜しみなく披露。最新情勢の解読法から諜報の基礎知識までを解説した、武器としてのインテリジェンス入門。
(新書より)」

 やはり、佐藤優氏、手嶋龍一氏の対談本は、本当に読みごたえがあります。本書も数々の国際情勢のヒントが盛り込まれていました。そして、もう一つ。新聞や雑誌だけではなく、読者がこの人だと思う人の本などを定期的にチェックすることが重要だと感じました。
 本書は日々、変化している国際情勢を分析しつつ、現在の状況と今後の行方について、両者が対談形式で展開しています。比較的、読みやすく、わかりやすい内容となっています。
 新聞などを読んで、そのままの情報だけではなく、そこからどう自分で考えていくか、のヒントも盛り込まれています。同時に、その背景と視点が盛り込まれており、この本を読むと、国際情勢の流れと背景、行方について、考えさせられます。

 いくつか、興味深かった点を紹介したいと思います。
 東京オリンピックは今回も含め、3度決まっているそうです。1度目は1940年に決まったのですが、日中戦争などの影響により開催中止となり、代わりにヘルシンキで開催することになったけど、それも第二次世界大戦で中止。つまり、2020年の東京オリンピックまでは何としても、東アジアの平和を守らないといけないということだと。もし、戦争や紛争に発展すれば、オリンピックは諦めないといけなくなると。そういう意味で、中国など周辺の東アジア諸国も含めて、紛争は起こすことは……。

 戦争は本当に深刻な状況であることには変わりないですが、日本は「戦争はとにかくいけない」という前提になりがちだと。つまり、「戦争の回避」によりどんな事態が持ち上がるのか、ということも考えないといけないと。

 アジア情勢を考える上で参考になるのが、竹内好氏の著作だそうです。『魯迅』(「竹内好セレクションⅡ)収録・日本経済評論社」や『方法としてのアジア』(創樹社)などが挙げられていました。

 所詮、完璧なインテリジェンスなどないと。不完全な情報の中で決断をくだし、その結果責任を取るのが、政治のリーダーたる者の責務だと。

 最近、話題になっているTPP。今、現在、日本の置かれている状況を考えることが必要だと。アメリカと中国の情勢争いが繰り広げられていますが、日本の立ち居地を見ると、
・TPP:日本とアメリカ
・日・中・韓FTA
・RCEP:日本と中国
といった3つの枠組み全てに日本が参加しています。この状況をうまく利用しないといけないのではと。

 などなど、興味深いヒントが盛り込まれていました。

7/10)

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