社会を変えるということがどういうことかの入門になる、『社会を変えるには』(小熊英二 著)

 2011年3月11日の東日本大震災により原発問題が大きな話題となって、原発反対への抗議行動が活発になりました。これまでの体制を変革しようという雰囲気が強くなりました。
 社会を変えるためには、これまで様々な活動が行なわれてきました。そんな社会を変えるための行動は何か? そのきっかけとなるもの、その基本となる内容が書かれた内容でした。

どういうことなのか。
どうすればいいのか。

いま日本でおきていることは、どういうことか。
社会を変えるというのは、どういうことなのか。
歴史的、社会構造的、思想的に考え、
社会運動の新しい可能性を探る論考。

(本の帯より)」

広く、深く、「デモをする社会」の可能性を探った本。

いま日本でおきていることがどういうことなのか。社会を変えるというのはどういうことなのか。歴史的、社会構造的、あるいは思想的に考えてみようというのが、本書の全体の趣旨です。
まず第1章で、日本社会の現状をつかみます。そのなかで、2011年に社会運動のテーマとして浮上した原発というものが、日本社会でどういう位置にあるかを考えます。
第2章では、社会の変化につれて、社会運動がどう変わってきたかを述べます。第3章では、それをふまえて、戦後日本の社会運動の歴史を描き、現代を位置づけます。
第4章から第6章は、そもそも民主主義とはなにか、代表を選ぶとはどういうことなのか、それがどう行き詰っているのか、を考えます。第4章では古代ギリシャ思想、第5章では近代政治哲学、第6章では現代思想の、それぞれ一部をあつかいます。回り道のようですが、「投票をして議員を選ぶこと」だけが社会を変えることなのか、という問題を考えるうえでは、ここまでさかのぼって考えて、発想を広げる必要があります。意外と読んでみればおもしろいと思います。
第7章では、第1章から第6章までの内容をふまえて、もう一度現代日本に戻ります。社会運動をやるうえで参考になりそうな理論も、ざっと解説します。
第4章から第6章までは、独立して読むこともできます。そもそも民主主義ってなんだ、とかいうことに関心のある人は、そこからながめてもいいでしょう。
よかったら読んでみてください。

(本の帯より)」

 この本、ちょっとよく読めば、わかりやすく、理解しやすいように思います。もちろん、難しい部分もありますが、じっくり読めば比較的わかりやすいのではないかと思います。
 ということで、社会を変えるための、ちょっとした入門編となり、きっかけになる内容になっているかと思います。ここから、さらに追及する土台ともなるでしょう。
 社会を変えるための要素が書かれており、社会を変えるための要素をそれぞれ、述べています。変えるための手段や、社会を変えるための要素の問題、社会とは何か、民主主義とは何か、などなど。そして、これまでの社会変化の歴史なども。
 ちょっと読みにくかったのは、時系列の点で混乱することもありました。ある物事の説明なのですが、そこでちょっとした混乱。まぁ、よくよく読んでいれば、回避できることではあるのですが(笑)。

 この本の内容が絶対ではない、と筆者も述べていることから、この本をきっかけに社会に関わっていく、そして、良い方向に向かっていく、ことへのきっかけにもなる本になっています。つまり、答えの書かれている本ではなく、さぐっていく本だということです。

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