マナーのシンプルな基本が書かれた「『ファーストクラスで学んだ ひとつ上のおもてなし ~3%のビジネスエリートを満足させる日本人の「技術』/美月 あきこ」

 おもてなしについての、実にシンプルな土台が書かれていました。

その場を一瞬で「ファーストクラス」に変える、おもてなしの技術

お客様の質問から「真意」を察する
大切なのは最初の返事「はい」
相手が発している「サイン」をいち早く読みとると、先手が打てる
先輩に教えられた大切な心構え――「自宅」にお招きしたと思いなさい
「創業社長」がさりげなく社内で実践しているおもてなし
ファーストクラスのCAから見た「感服のおもてなし」「ダメなサービス」
私がクライアント先で「トイレ」の場所を聞く理由
鳥肌が立つくらい感動させられた老舗旅館の「チームプレイ」

(本の帯より)」

おもてなしは“オーダーメイド”なのです

ファーストクラスの空間には、おもてなしの心が行き届いています。
おもてなしは、マニュアルで管理・指示できるものではありません。一人ひとりのお客様に対して、一人ひとりのCAがご要望を察することから生まれる思いやりの表現であり、オーダーメイドなのです。
おもてなしを、CAは訓練で身につけます。その際に大事なのは、相手の気持ちを察することであり、相手のどこに注目するか。その意味で、ファーストクラスを担当するCAは、目のつけどころが違うといえるでしょう。
「はじめに」より

(本の概略より)」

 自己啓発系の本で、「おもてなし」の心得や効果などが書かれています。著者は元CAで、ファーストクラスにも携わってことがあり、そのファーストクラスでの仕事などを通じて、「おもてなし」についての経験したことを語っています。
 内容は、意味「分かってるよ」って感じるかもしれません。でも、実はそうした「分かってるよ」と思うことが結構、大変なことでもあったりします。「おもてなし」は相手に対しての思いやることだといえ、「おもいやり」の意味から、「おもいやり」を表現するためのちょっとした技術的なことなどが盛り込まれています。
 それらの内容は、実は基本的なことを言ってもおり、実はシンプルなことでした。表現が悪いかもしれませんが、「それ、当り前かも」とか感じるかもしれません。しかし、そのシンプルなことが、実は難しかったりします。つまり、シンプルなことは追及すると、奥深いモノだからです。

 そういうことから、「どう読むか」でこの本の印象が大きく変わってくるでしょう。ある意味、分かっていることでも、それを真に受け止めるならば、著者の真意が心にしみ込んでくると思います。(まぁ、これはどの本でもいえますが、笑)。
 ヒントはたくさん盛り込まれていますが、いきつくことは根本的な一つのことです。ヒントがいきつく先に、真の意味であるその「一つのこと」がなければ、ヒントは色あせてしまうでしょう。

 そして、この本のタイトルの「ファーストクラス」ですが、CAだけではなく、接客業などサービス業にもいえることはもちろん、それだけにはおさまらないと思います。
 人と関わりのあるモノゴトは全てにおいていえることから、全てのモノゴトにも当てはまる内容で、それぞれのモノゴトに取り入れるための工夫をどうするか、で全てのモノゴトにも応用できるでしょう。

 「おもてなし」は「マナー」といったことにもつながってくると思います。
 「おもてなし」の技術的なヒントが、著者や情報収集から得られた内容が例として、多々盛り込まれていますが、要は「おもてなし」の真の意味を伝え、その効果を伝えようとしている本でした。
 なので、シンプルなことで、ある意味「もっと刺激的な、アイデアや驚くようなこと」を期待すると物足りないかもしれません。でも、モノの考え方をちょっとした変化で捉えられ、身近でできるような感じでもあるので、取り入れやすいちょっとした改善本ともいえるかもしれません。
 つまり、「自分でもできるんでは!」っという感じで、すぐに取り入れる内容が盛り込まれています。もちろん、真髄はとっても「奥深い」ものですが。

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